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ノーベル物理学賞の受賞傾向を分析する

ノーベル物理学賞の受賞傾向分析してみました

ノーベル賞といえば、毎年予想が流行っていますがそのほとんどが当たりません。
また、近年は(物理ではないですが)mRNAワクチンが受賞してもいいのでは?などということも流行っています。
私の個人的な感触としてはノーベル賞は「その人類への功績が確定してから受賞する」という傾向があり、mRNAワクチンについてはこれがまだである、と考えています。
少なくともノーベル賞まであと数年はあるでしょう。

今年の発表から少し時間がたっていますが、いくつか個人的に気になっていることがあって分析してみました。
私が物理専攻だったので物理で調べてみました。
まず、物理については少なくとも、最近はその発明や発見から20年程度以上がかかっているといわれています。
ただし、その業績を成し遂げた人が受賞時、存命であることが必要です。
2020年のベンローズの「ブラックホールの形成が一般相対性理論の強力な裏付けであることの発見」についいてはホーキング博士も重要な貢献をしているはずですが、このため受賞できていません。
これぐらい、最近では受賞までの時間が長い、ともいえると思います。

発明・発見から受賞までの年数

まずは「発明・発見から受賞までの年数」を調べてみました。
受賞一覧とその業績はWikipediaの記載を基準にしています。
ja.wikipedia.org

ただし、ここでは「発明・発見から受賞までの年数」はWikipediaに記載された情報(論文があればその発表年、無ければその発明・発見に関する記述がある年)を基準年、対象業績が複数ある場合は、その中で最も古いものを基準にしました。



平均は19.3年で噂とほぼ一致しています。また中央値でも16年です。
一方、最短では1年、最大では57年というケースもあります。

では「この受賞までが長い」というのは変化があるのか?とみると、やはり最近では長くなっている傾向がありそうです。
初期のころのほうが短めに分布しています。
これは、「受賞待ち」の業績がどんどん増えているということではないかと思います。

受賞分野の分布

最近は物理は素粒子と物性が交互に来ている、といわれています。
これを初期から調べてみました。
ただし、内容としては「素粒子とも物性ともいえそう」なものも多くあり、その分類は一つの考え方という点をご了承ください。

ここでは、素粒子・物性・放射線・その他、に分類しました。
宇宙は素粒子に含めます。

全体の件数は素粒子(宇宙含む)が多くなっています。

これを年代を合わせて分析すると、初期は放射線関連が多くあります(放射線も本来は物性か素粒子に分類できます)。
2021年の「地球の気候の物理的モデリング、気候変動の定量化、地球温暖化の確実な予測」は場合によっては物性に分類されます(ヨビノリタクミは物性に分類してますが、個人的にはその他に分類しました)。

国別受賞者数

アメリカが最多で42%をしめ、イギリス、ドイツ、フランス、オランダ、日本…と続きます。

戦前にはアメリカの多くの物理学賞受賞者がマンハッタン計画に参加していました。
マンハッタン計画というのはアメリカの原子爆弾開発のプロジェクトのことですが、ノーベルがダイナマイトの発明で財産を得た一方、戦争にダイナマイトが活用されて苦悩しノーベル賞を設立した、ということと皮肉な相関がありますね。

まとめ

数年、気になっていたことを調べてみました。
Rawデータは以下に。
github.com