はじめに
4~5年利用してきた温調はんだごてが、1年ほど前から温度が高すぎて使いにくい、という現象が発生していました。
ふだん鉛入りのはんだしか使わないので、割と低めの設定(当初では200℃前後だったと記憶)で使ってちょうどよかったのですが、近年最低温度にしても温度が高すぎるという気がしていました。
実際に温度を測定したわけではないが、はんだに対する感触でそのように感じていました。
使っていたのは、以下のAmazonでセットで2000円ほどのものです。
当該のセットは販売終了していますが、以下のようなものがほぼ同じと推測されます。
電子工作関連の記事を見ている中で、たまたま温調はんだごての温度を補正するという記事を見つけて同様に補正(修理)できるのではないか、と思いやってみました。
結果としてはうまくいきました。
今回は、その紹介をしていきたいと思います。
分解→回路調査→補正(修理)
まず、ダイヤルを外します。
これは、ダイヤルの下にマイナスドライバーなどを入れて持ち上げると簡単に外れました。
あとは、基板を外します。
少し回路を見たところ、ダイヤルの可変抵抗に抵抗が並列につながっていて、高温に設定すると0Ω、低温に設定すると68kΩ(合成抵抗)となることがわかりました。
つまり、高温側の抵抗値を高めにしてあげると補正できるのではないかと推測ができました。
ですが、念のためと研究のため全体の回路図を起こすと、以下のようになっていました。
edn.itmedia.co.jp
これは、トライアックを使ったAC位相制御の回路であることがわかります。
(参考サイトとはコンデンサーの位置が違うように見えるが、同様の動きとなりそう。)
あとは、抵抗を交換します。
チップ抵抗にはんだとフラックスを盛って、加熱するだけです。
この抵抗を測定してみると、約80kΩでした。
基板のシルクは560kΩなので、この抵抗がショートモードで壊れ(かけ)ていたため、温度制御が高めに振れていたということが確認できました。
この抵抗を交換します。
同じぐらいの値でもいいのですが、少し全体的に低めの温度設定にしたいので、手持ちの中から680kΩのものに変更しました。
チップ抵抗でもいいのですが、このようなサイズは手持ちにないのとリード抵抗の方が容量も大きい(1/4W)ので長持ちするのではないか?との思惑です。
ちなみに、100V、500kΩなら大体0.02Wぐらいになるので本来はチップ抵抗でも十分なはずです。
動作確認すると、高温設定では十分はんだが溶けて、低温設定では飽和温度でもはんだが溶けないぐらいの温度設定になり、狙い通りとなりました。
まとめ
温調はんだごての温度制御がおかしいので、分解修理しました。
回路はよくあるトライアックを使ったAC位相制御の回路となっていました。
おかしくなっていた原因は抵抗が低抵抗化していたためでした。
チップ抵抗ではなくリード抵抗で問題なく修理できました。