プログラミング素人のはてなブログ

プログラミングも電気回路も専門外の技術屋の末端が勉強したことや作品をアウトプットするブログ。コードに間違いなど見つけられたら、気軽にコメントください。 C#、Python3、ラズパイなど。

2024年現在、市販されているArduino 互換機の中で最小です(作者調べ)

最小のArduino互換機を作りました


「互換」の意味は甘めにとっていただきたいですが、ここでは「Arduino開発環境で開発できる」ぐらいの意味です。

以前、小さいマイコンが必要な案件があって、Arduino nanoなどを検討しましたがこれでも厳しく、Amazonで以下のものを見つけて採用しました。

s51517765.hatenadiary.jp

こちらはArduino開発環境で開発できてそこそこ使いやすいのですが、USB端子はついているけど実質使えなかったり(Arduino IDEのライブラリが更新されていなく使えなくなっている?)、ピンの配置がブレッドボード上で使いにくい(L字に配置されているのでブレッドボード上でショートしてしまう)という問題がありました。

調べてみると、回路図も公開されているのでこちらに使われているATtiny85というマイコンを使って、より使いやすいものをつくれるのではないかと考えました。
さらに調べてみると、同じサイズでクロックは小さくなりますが、ATtiny202ならさらに安く秋月電子で70円でした。
これならざっくり部品代200円ぐらいで作れそうと思い検討しました。
さらに世界最小を狙いました。
そして出来上がったのが、上記写真右下のもの名付けて「Tibicon」です。
小さいマイコンという意味で、読み方は「チビコン」でも「ティビコン」でも可です(当初Tinypicoと仮称で使っていましたが、同じ名称のものがESP系であるようなので急遽変更しました)。

コンセプト

Arduinoフレームワークで動く
・世界最小(ターゲットとしてはDigispark Kickstarter ATtiny85より小さく)
・低コスト(部品代で200円程度目標)
・USBは外付けのUSBシリアル変換を使う前提
・Digispark Kickstarter ATtiny85の不満点(ピン配置の改善)

コストと基板サイズのために電源入力側のレギュレータは削除しましたが、単体でも動かせたり動作確認のためのLEDは付けたり、書き込みのためのダイオードと抵抗(470Ω)は追加したりしています。
これによって、どこのご家庭にもあるUSBシリアル変換器とPCさえあればUPDIシリアルで書き込みができます。
電源については、基板破壊の安全のために本来は入れたいところですが、ATtiny202自体が電源入力として1.8~5.5Vまで対応とそこそこ広く、当然USBの5Vでも大丈夫なので割り切りとして無くしました。
このためニッケル水素電池2本直列の2.4Vでも起動することができます。
このような小さな基板ではACから電源を取れない、取りたくない状況下での使用も多いと考えられます。

設計上の工夫

基板のコストを抑えるために基板は「面付け」という、1枚の基板として複数の基板を作成する手法を使いました。
これは、kicadで意外と簡単にできました。
qiita.com

しかし、実際作ってみると「ミシン目」は5列以上になると、ちょっと手で折るのは不可能ではないが厳しい強度がありました。
この点を考慮して、基板はいつのも1.6mmではなく1.2mmと薄くしてみたのですが、次作るときはここを改良したいです。
ニッパーを使えばこれでも問題はありません。

「JLCPCBで2$で作れる」と思ってやってみたのですが「面付けはその価格ではできないよ」みたいな感じのことを言われて、結局5枚(20pcs * 5 = 100pcs)で10ドルぐらいでできました。

まとめ

自作Arduinoを作りました。
面付けもkicadのadd-inで簡単に作れます。
小さい基板が必要な人にピッタリです。

たくさん作って余っているので買って下さい。
booth.pm
github.com
www.youtube.com